#SNSの教科書
#徳力基彦
#朝日新聞出版
大学四年生になり将来の事を改めて考え、何か自分でもSNSやインターネットを活用してビジネスをやってみたいと思っていた矢先にこの本に出会った。
インスタも鍵垢、SNSの発信も抵抗感がありプライベートでもSNSは基本見る専門、数か月も前からビジネスとしてのSNSの発信に興味があったもののなかなか始める一歩が踏み出せなかった。
そんな私が、この本を読み切る頃にはインスタグラムやX、ブログなど今まで個人的なアカウントさえなかったSNS媒体で新しいアカウントを開設し発信をスタートすることができている。
この本では著者のSNS発信に対する考え方、そして著者を含めた様々な方のSNS発信によって起こった経験(本著ではうれしい「ハプニング」と呼んでいる)がまとめられており、今すぐに行動を起こしたくなるような本である。
ただ勘違いしてほしくないのは、この本はいわゆるSNSでバズなどを起こすようなインフルエンサーを目指す為の本でも独立をおすすめする本でもない。SNS発信の障壁をなくしネットをリアルの延長線としてとらえ、日々の学んだことや自分の意見などを世界中とつながれるSNSにアウトプットする習慣をつけていく、それによってリアルの世界を広げ、今所属する環境で面白い「ハプニング」が起きやすい状態を作る組織人(普通の人)のための本である。
「内容紹介」
組織で働く人は炎上や秘密漏洩を恐れて、ネット発信に及び腰だ。しかしそうした「普通」の人ほど仕事上のメリットは大きい。本書はバズる・稼ぐのではなく、組織に属しながらビジネスチャンスを広げることを目的としたやり方を伝授する。
(朝日新聞出版HPより抜粋)
感想
バズらなくていいし、ビビらなくていい
この本はインフルエンサーを目指す為の本でも、独立をおすすめする本でもない。今所属する職場や環境で成長したい、一つの組織に依存しない人間になりたいと考える、普通の人のための現代のSNS戦略を説いた本ともいえる。ビジネスパーソンだけでなく学生もこの本を手に取って、SNSに対する障壁や思い込みを取り除き、早いうちからより有効的にSNSを活用する術を学ぶべきだと考えた。
本書の中でも詳しく紹介されているが、SNSによる「蓄積効果」に関する話は印象的に残っている。
私はよくインスタグラムやYOUTUBEで調べて出てきた発信元のアカウントの、過去の投稿を遡って見ることが多い。すると大半はたくさんの投稿があり「こんなに昔からやっているのか」と驚くことも多い。
また過去の投稿がたくさん積み重ねられていてフォロワー数もある程度多いと、発信者側に対する安心感や信頼感にもつながるように感じた。
最近では意識的に発信者の投稿を見る際過去の投稿数や投稿内容などを見るようになり気づいたことは、フォロワー数はクオリティーよりも投稿数に依存するケースが多いように感じるということだ。有名インフルエンサーやYouTuberで数ヶ月で成功したという人は、ごくわずかの少数派である。
インフルエンサーという職業が確立した現代では少ない投稿数でバズり、フォロワー数を増やす方も増加した印象である。だが大半のフォロワー数を獲得している発信者は過去の投稿数はとても多いのが現状だ。
よって小さな発信が少しづつ蓄積されて大きな価値となっているということが、実際発信者を見比べることで腑に落ちた。(やはり始めるなら早ければ早いほどいいとはこの「蓄積効果」に所以するのだろう。)
この本の中で一番印象的なのは発信を「自分のためのメモとして考える」というマインドである。私自身SNSを始めるとき、「どうせ私には発信できることがない」「誰からも見てもらえなかったらどうしよう」「何を発信したらよいか分からない」などの不安を感じていた。そのように感じる方が大半だろう。
だがそのようなプレッシャーを感じる必要はない。この本の中ではSNS発信に関する不安やメンタルブロックを取り除くような考え方が詳細に記されている。
例えば「バズらなくていいし、ビビらなくていい」「まずはお金儲けから離れましょう」「文章力や完璧さは追求しない」などあらゆる方向から、肩の力を抜いたSNS発信との向き合い方を教えてくれている。
この本ではSNS発信のメリット、筆者の体験、向き合い方、実際の始め方や発信のことなどが記されており、後半部には実際にSNS発信によって思いがけない「ハプニング」を体験することができた人々のエピソードがまとめられている。
この本はただSNS発信を勧めたり方法論を提示するだけでなく、ネットへの向き合い方や行動をはじめとして継続していくためのマインド面や実際の体験談なども詳しく書かれていて、読むだけで自分も何か発信したいと思える本である。
SNS発信に勇気が出ない人、どんな投稿をしたらよいか悩んでいる人、SNSは気になっているけど仕事にどう活用したらよいかわからない人、そんな方に一度この本を手に取ってみてほしいと思う。 実際にこの本を読んで私はいくつかのアカウントを開設した。日が浅く今は投稿しても反応がない日が多い。
しかし積極的な発信を始めたことは全く後悔していないし、今後もずっと続けていきたいと思う。
この本を読んですぐに感じられたメリット
①SNSで発信する勇気が出る(特にビジネスとして)
②日々得る情報をアウトプットする前提でインプットするため、インプットの質や集中力の向上する。
③SNS発信に対する周りの反応をきにしなくなった。(投稿する際の過剰な不安がなくなった)
④同じ目標の人や自分の理想に近い人を見つけやすくなった。(場合によってはコミュニケーションをとれるようになった)
⑤重要な情報を意識的に探し出す癖がついた。
⑥受け取り手を意識して文章を書く癖がつき、文章を書くことへの苦手意識が減った。
⑦SNSをだらだら見る時間が減った(発信者の投稿の仕方、デザイン、アイディアやコンセプトなどになどに興味を持つようになり、単なる消費者としての視点が薄くなったからだと思う)
ハイライト
SNS発信はリアルの延長線上で使ってこそ、ビジネスで真価を発揮する。
日々の小さな発信が少しづつ蓄積されていき、大きな成果を呼び込む。まさに「わらしべ長者」なのです。
発信を自分のためのメモだと考える
無理のない範囲で背伸びしてみれば意外と願いはかなうのです。
あなたの発信を読んでくれた1PV、1フォロワーを単なる数字と思わず、「一人」と出会ったと認識するようにしましょう。
SNSには思いがけない良いハプニングを引き起こす可能性がたくさん眠っています。
Memo
・ネットとリアルを分けて考えない⇒基本実名で発信する
仕事に役に立てたいのなら実名での登録が基本である。しかしいきなり実名で発信するのに怖さを感じるのであれば、最初は匿名にして様子を見て、慣れてきたら実名に切り替えてみよう。
・SNS発信=プルのコミュのケーション
一般的にリアルのコミュニケーションは「プッシュのコミュニケーション」、ブログやSNSを使ったものは「プルのコミュニケーション」と呼ばれている。プルのコミュニケーションはコミュニケーションコストが低くより気軽にでき、その範囲はプッシュのコミュニケーションより広がりやすいため「ハプニング」を生み出してくれる。情報をネット上に置いておくほうが、その情報を求めている人たちが少しずつ増えていく。
・メディアを考えない
ニュースサイトのようなメディアと思うと、発信のハードルは一気に上がってしまう。ビジネスパーソン(一般人)のSNS発信はコミュニケーションの手段であり、リアルなおしゃべりと同じ。どんな立場の人であっても、その人の情報を求めている人は世の中にいる。役立つ情報かどうかは自分で判断せず、肩の力を抜こう。
・お金儲けを考えない→発信そのものを楽しむ
究極の目的は仕事に役立てること。youtuberにしても有名なブロガーにしても最初は全然儲からなかった。彼らは発信そのものを楽しみ、その発信が蓄積し、ファンが増え、いつの間にか仕事になり、お金を稼げるようになった。
→まずはSNS発信によって、リアルの世界を広げていくことに注力すべき。
・仕事に役立つ三つの理由
◎プルコミュニケーション
◎蓄積効果
◎アウトプットが思考訓練になる
・発信を自分のためのメモと考える
発信のポイント
①軸を決めキャッチコピーをつける
おすすめは自分にキャッチコピーをつけてみること。これによって発信するテーマやジャンルが明確になり、SNS発信によって自分がどうなりたいかを短い言葉で表現できる。
②アウトプットファースト
始めのうちは読者やフォロワーは少ないから、長期的な視点を持ち反応がなくてもがっかりしない。(どうせ自分のメモなんだし!ね)アップし続けよう。
③自分なりのペースを見つける
無理せず自分なりのペースで発信を長く続けて、アウトプット自体は習慣化すること。
④ロールモデルを決め、自分らしさを確立
ロールモデルを真似しつつ自分のテイストを加え、自分らしい発信スタイルを少しずつ加えていくと、自分らしい発信スタイルを確立できる。
⑤リアクションを基にPDCAサイクルを回す
⑥自己ブランディングに役立てる
⑦読んでほしい特定の一人をイメージ
SNS発信は自分が所属する組織の外に自分のことを伝えるためのものでもある。「こんなことがあったよ。どう思う?」と語りかけるつもりで普段から書くことで、狙った相手に印象を残す発信ができるようになる。
⑧徳力メソッドを使う
著者のブログの書き方は結論をあいまいにする。有名なインフルエンサーやバズを狙うような人ならバッサリ切って捨てるほうが良いが、それでは確実に敵を増やすためビジネスマンには不向きである。具体的には以下の通り。
⑴タイトルで言いたいことを語りつくす
⑵本文は単に思いついたことをつらつらと
⑶締まらない締め方、何もまとめずに終わる
14年前にまとめてもらった、徳力メソッドというブログの書き方|徳力基彦(tokuriki) (note.com)
⑨対面で言わないことは発信しない
⑩計画に時間をかけない
著者は毎朝通勤電車に乗っている一時間で、ニュースタイトルをチェックしてその中で気になるニュースを数本見て、一番面白かった記事を選んでメモにまとめ、ブログにアップしていた。コメントしてくれるなど気軽に意見交換、情報交換ができる場になっていた。(自分自身の理解も深まる)
・アウトプットを、したたかにずらすコツ
始めのうちは自分のためのメモということを前提において、具体的に意識したいことをいくつかピックアップしてまとめておく。
・キーワードを入れる(意中の人や企業に探されるための準備をする)
読んでほしい相手があなたの発信を見つけられるように、名前などのキーワードを入れる。ハッシュタグやメンションなども活用。
・流行りのものに飛びついておく
コミュニケーションが生まれやすくなる。
・未来に価値を置きポジティブに書く
未来予測に重点を置いたほうが新しいビジネスのアイディアにもつながるため。(実際に大学の講義でいらっしゃったヒットサービスを多く生み出す社長さんも毎日未来予測表を見てビジネスチャンスを探しているとおっしゃっていたことを思い出した。)
・ニッチに絞って深さで勝負
自分がもっとも得意とするテーマに絞って発信してみると、自分にしかできない発信も可能になる。
・正論よりも不完全を残す(人は意外と教えたがり)
フィードバックをもらえたら、相手に感謝することを忘れないこと。
・リアルを組み合わせる(小規模セミナーや勉強会を主催してみる)
・無理のない範囲で背伸び
自分の限界を決めないこと。自分にとって少々高い目標に思っても、それに向かって動くと長期的には実現できる可能性が高い。
・量より質、数より熱量(数字に関心をよせすぎない)
コミュニケーションできる仲間や勉強させてくれる師匠を得るために、自分の価値観や興味、意見を積極的に出すようにしよう。
・ビジネスで実名を出すことはメリット
・いろいろなアカウントを見る
実際に起こしたアクション(そして今後やりたいこと)
☑新しいSNSアカウント(instagram、X、ブログ)を開設
☑定期的な情報発信
□実名のFacebookを開設
□インスタを鍵垢から公開アカウントにする
ご購入を検討されている方はこちらからチェック!
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